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「マインドフルネス」という言葉をご存じでしょうか? 仏教に由来するとされる心理療法の1つで、瞑想やヨガの実践などを通じて、ストレスの軽減や集中力の向上を目指すものです。米国では1970年代から西洋医学に取り入れられ、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)、マインドフルネス認知療法(MBCT)といったプログラムが開発されました1)。
これまでMBSR、MBCTともに多くの臨床研究が行われており2)、英国の国立医療技術評価機構(NICE)はMBCTをうつ病の再発予防に効果的な治療法として位置付けています3)。このような背景から、近年は日本でもマインドフルネスを精神科や緩和ケア領域で取り入れる病院が増えているそうです4, 5)。
なお、日本マインドフルネス学会ではマインドフルネスを「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義しています6)。最近はお寺での座禅体験が「疲れた頭をリフレッシュできる」と人気を集めていますが、これも一定の時間じっと座り意識を集中するというマインドフルネスの効果なのかもしれません。
昨年(2021年)、このマインドフルネスが子どもの睡眠に及ぼす影響を検討した研究が報告されました。米・Stanford University School of MedicineのChristina F. Chick氏らは、北カリフォルニア地区のうち治安が悪く住民が睡眠を乱されがちな2つの低所得地域に住む8〜11歳の子ども115人を対象に、学校のカリキュラムにマインドフルネスを導入した場合の睡眠改善効果を検討7)。一方の地域では学校で1週間に2回、2年間にわたりマインドフルネスのプログラムを実施し、もう一方の学校では通常の体育の授業を行いました。
すると、2年後にマインドフルネスを行っていない学校の子どもは一晩当たりの総睡眠時間が平均64分減っていたのに対し、マインドフルネスを行った学校の子どもは一晩当たりの総睡眠時間が平均74分、レム睡眠時間は24分それぞれ増えていました。この結果について、研究グループは「学校でのマインドフルネスのカリキュラム導入により、子どもの睡眠が改善された」と結論しています。
毎日楽しそうに遊びまわっている子どもたちも、実は大人顔負けのストレスを抱えているのかもしれません。もし子どもがベッドや布団の中で寝付けなそうにしていたら、日中は外で遊ぶだけでなく、たまには家の中で呼吸を整え、周囲の音に耳を澄ましてみるなど、意識を集中する時間を設けるように勧めてみてはいかがでしょうか。